言の葉の森の水曜日

印象的な言葉の記録

あいるらんどのような田舎へ行こう

 韓国最高裁ででた徴用工訴訟の判決結果が話題になっていましたね。


国際法をよく理解している韓国人が1965年日韓基本条約をひっくり返すものだと嘆いていましたが隣国同士の関係というのは感情的になりやすいのかしら?

 

あのしたたかなイギリスでさえ、対アイルランドとなるとポカをやっていますものね。

日本と韓国の関係は、イギリスとアイルランドの関係に似ていると言う人もおりますが、だとしたらフランスの位置にあるのが中国かしら?

 

どちらも中華意識の強い、自国の文化に誇りを持つ大陸の大国というところは似てますね。

 

何故、そんなことを思ったかというと、この詩を作った時丸山薫が当時植民地であった朝鮮をイメージしながら「あいるらんど」を詠ったのではないか、という文をどこかで読んだからです。

 

妖精の住まうという愛蘭土。当時の日本人にとっては、そういうイメージを連想するような距離のある場所だったのでしょうか。

 

「汽車に乗って」


汽車に乗って
あいるらんどのような田舎へ行こう
ひとびとが祭りの日傘をくるくるまわし
日が照りながら雨のふる
あいるらんどのような田舎へゆこう
車窓(まど)に映った自分の顔を道ずれにして
湖水をわたり 隧道(とんねる)をくぐり
珍しい少女や牛の歩いている
あいるらんどのような田舎へゆこう

 (丸山薫 詩集『幼年』より)