誇り
「絶対に勝てると思ったんだ。だってカバノンは『国家』なのだから、自治があるんだ。それは1830年代のマーシャル判決でも認められている。私は州がなんて言ってこようが気にしないよ。あくまで交渉相手とすべきは連邦政府なんだよ」
自治国家として交渉すべきは州ではない。交渉相手はその上の枠組みである国家。
「部族が交渉すべきは国家である」これは建国以来部族が一貫して持つ政治権利である。しかしカバノン裁判以前多くの部族にとって、それは実生活と直結するような具体的な権利ではなくなっていた。
インディアン・カジノ時代の突破口を開いたのは保留地での貧しさを経験し、それでも保留地を去らずに部族主権・部族自治を諦めなかったリーダーたちである。
インディアンカジノ時代とは部族とそのリーダーたちが現在進行形で「国家」とは異なる価値観、異なる社会、異なる自由を求めて挑戦し続ける時代なのである。